AWSのバイスプレジデント兼ディスティングイッシュド・エンジニアであるジェームズ・ハミルトン氏が行った2009年の講演以来、データセンターのネットワーク変革(トランスフォーメーション)に注目が集まっています。この10年間のネットワークにおけるイノベーションは、従来のボックス型のネットワーク機器ベンダーではなく、クラウド市場の巨大企業が牽引してきました。しかし、企業やサービスプロバイダーといったIT組織もまた、このイノベーションに関わってきている兆候があるのかーーーこのブログでは、IT組織にも拡がろうとしているネットワーキングにおけるクラウドイノベーションの7つのサイン(兆候)について、シリーズで明らかにしていきます。



650 Group の調査によると、ネットワーキングにおけるクラウドの革新が主流のIT組織にも拡大していることを明確に示しています。

多くのデータセンターにおけるネットワーク変革で起こっている明確なサインを見ていくため、以下の原則的な観点から論じていきます。
  • 技術またはアーキテクチャの構成に基づいていること
  • 革新的であること
  • 顧客採用など市場の牽引性があること
まずは比較のために、コンピューティングとネットワーキングにおける過去のトランスフォーメーションを振り返ります。
 
1990年代のコンピューティングにおける変革(メインフレーム/ミニからx86):
コンピューター業界では、長年にわたりモノリシックかつプロプライエタリなシステムが業界を支配していました。その中でx86アーキテクチャベースの細分化されたスタックが登場し、コンピューティングを一変させ、画期的なイノベーションとコスト削減をもたらしました。x86 CPU、サーバーハードウェア、Linux OSなどの下位層での標準化は、イノベーションを上位層にもたらしました。さらに、クライアントサーバー、サーバーの仮想化、クラスターコンピューティングおよびマイクロサービスを基盤としたアプリケーションの出現は、この20年間におけるイノベーションを推進しています。巨大クラウド企業はこれらの基礎技術を利用して、大幅に先行投資を削減でき、これまでにないスピードでのサービス提供を実現する大規模なIaaSクラウドを構築しました。
 
1990年代のネットワークにおける変革(回線交換からイーサネット/IP): 
7階層に定義されたOSIモデルは、インターネットの基盤となるイーサネット/IPの技術が登場した時代に、ネットワーキングに大きな変革をもたらしました。このモデルは、音声やビデオなどの複数のネットワークを統一されたマルチサービスデータネットワークに集約します。これにより、大幅にコストを削減し、サービスをより迅速に利用できるようになりました。
 
しかし、Web 2.0時代になるとネットワークはボトルネックとなり、データセンターで遅延を起こす障害となりました。手作業の上、ボックス単位の運用や変更管理の複雑さが加わり、独自のアーキテクチャとベンダーロックインの問題によりコストがかかりました。 サービスが提供されるまでの期間は数週間から数か月へと延び、巨大クラウド企業は従来のネットワーク機器ベンダーに頼らず、独自の技術を確立することを余儀なくされました。彼らは、専門のエンジニアリングチームの編成に投資し、独自のネットワーキングソリューションを開発しました。自社のソフトウェアのイノベーションを推進するために、ネットワーク機器ベンダーに固有のハードウェア (マーチャントシリコンベースのスイッチ) の開発を依頼した企業もありました。
 
このブログシリーズでは、データセンターのネットワーク変革が企業やサービスプロバイダーで現実に起こっていることを示す7つのサインをご紹介していきます。巨大クラウド企業が独自に導入した技術的な構成は成熟し、多くののデータセンターに導入されています。そして、大規模な運用の簡素化、大幅なサービス速度向上(VMとコンテナの速度)、CAPEXとOPEXの両方において劇的なコスト削減といった、クラウドスタイルのメリットをもたらします。
 
本ブログは、米Big Switch Networks Blogに掲載された記事の抄訳です。
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プラシャント・ガンジー(Prashant Gandhi

Big Switch Networks, Inc.

副社長 兼 最高製品責任者(Vice President & Chief Product Officer)

プラシャント・ガンジーは、Big Switchのプロダクトマネジメント、製品マーケティング、技術パートナーシップ/ソリューションおよびテクニカルマーケティングなど、クラウドファーストネットワーキングを実現する同社の製品ポートフォリオ全体の戦略を指揮しています。これまでも、主力製品であるBig Cloud FabricとBig Monitoring Fabricの製品戦略・開発に貢献してきました。また、Big Switch Networks主導のオープンソースイニシアティブ、Open Network Linux(ONL)の責任者として、オープンネットワーキングの普及とユーザー企業のハードウェア選択肢の拡大を目指しています。